紙切れとバイブル
向かい風に咆える、身を屈めた夜明け。
破れたドレスに舞う、売り買う心抱きしめた、紙切れとBIBLE!

当初はこのアルバムタイトルが「紙切れとバイブル」になる予定だった。

だが、移転した事務所が儲かるのを嫌って売れなさそうな「街路樹」にしたようだ。

アルバムの名前に唯一何も感性を感じないと思ったら、これが本当のタイトルだったのだ。

紙切れとバイブルとは、尾崎がただ感じるがままを紙切れに書き綴った思いが

数多くの人々にとっては正に「聖書」になってしまう事を皮肉った題名。

教祖と崇められ、カリスマと持て囃され、スランプに陥り、ニューヨークで麻薬を覚えてきた。

知らない間に事務所を移転させられそこで商売道具としての扱いを受け

そして自分の父親に通報され、逮捕された。

多くのファンに支えられながらも出所した尾崎が手がけたのがこのアルバムだが

この歌はこれまでと全く違う意味で「明るい歌」になっている。

何故か尾崎らしくない「明るく」そして「楽しい」歌。

明るいテンポの歌はいくつもあるが、この歌は本当にどこかが違う。

歌う時は、嫌な事は全部忘れる。