よう、久しぶり(挨拶

かいおーきの管理人ことかいおーですが、あまりにも久しぶりすぎて

なんか意外と普通の挨拶になってしまいましたね。いかんいかん。

というわけで日記を書かずにいたのは前述の通りネタがないと言うか

まぁ言うなれば仕事中の事ネタに出来るほど余裕ないって感じでして

つまりこうして今またこのビルダーの前に座っているという事は

仕事中に、日記に書くネタを脳内で反芻し始めたからなんですけども

まぁバイトやってた時よりかはまだ精神的に新人やってたって事ですね。

結構ブランクもあったし(言い訳

で、えー毎日毎日何やってるねんと言われるとあんまり詳しくいえないのですが

昨日今日やった事は結構簡潔にお話できますね。

ずばり

植 物 VS 人 間

これです。

読んで字のごとく植物と・・。っていうか草と戦っておりました

その内実と言うのも実にしょうもない問題でして

うちの会社の持ってる駐車場っぽい空き地に、草が生えとると。

夏に向けて放置しとったら、これえらい事なってまうでと。

除草剤買ってきたで、と。

かいおーお前暇やろ。撒きに行くぞ、と。

我らがボスのゴンちゃんが言うわけですね。

そうかそうか、そういうことか。

「やぁぁぁぁぁぁぁぁぁてやるぜ!!」

とどっかの主人公ばりに気合入れて除草剤をまきますね。

小さめの袋の底に点々の穴がついてて、振るとシャカシャカ粒が落ちていく仕組みで

草がちょこちょこ生えてるとこらへんをウロウロしながら袋を振っていれば良いと言う

スキルもへったくれもないただの暇つぶしレベルの行為です。

問題はすっげぇでけぇ蜂がいるって事くらい。

「ごんちゃーん・・・。ごんちゃああーん!!蜂いいいぃ!!

「おー、あんま近づくなよー」

ごんちゃん頼もしすぎ。泣けてくる。

そして至近距離でボーっとしてる蜂に手も出せず、ダッシュで逃げることも出来ず

僕はただ出来るだけ近くで写メを取ることしか出来ませんでした。

まぁそんな感じで、まじで虫が苦手なかいおーの死闘は幕を閉じたのでした。

だが、これがただの悲劇の序章でしかない事を、この時の僕は知る由もないのでした。



翌日。

「かいおー、今日暇やろ」

朝、出勤した僕に向かって、ごんちゃんは言った。

「おはようございます。.暇っていうか・・・まぁ、暇ですね。はい」

開口一番にそんな事を言われるのも少々不本意ながら、しかし僕が暇であるのは事実だ。

上司であるごんちゃんが僕の予定を全て把握している事などさほど考えるまでもなく思い当たる。

「三重の草掃除しにいくぞ。お前も来い」

「あーい」

昨日に引き続き草掃除か。まぁいいか。やることもないのだし。

三重に日帰り出張に行く時は大抵社内から社用車で移動するのだが

この社用車の取り扱いは上司の印鑑やら点検やら走行距離の記入やら

面倒くさい事のオンパレードによって始まる。

まぁ、それも一年以上やってるとどうでも良くなる作業でしかないのだけど。

最近までは会社の車を運転する事が出来なかった僕だが、この春からは晴れて

運転を任されるようになった。近場から三重ぐらいまでなら大抵僕の当番みたいなもんである。

三重までの道のりは、特に見ることもない。

ただ高校時代の通学路を横切る時は毎回寂しい気持ちになったりする。

自然が削られて住宅地が出来ていたり、そこかしこで補修工事が行われていたり

今だもって人間の居住スペースは増え続けているんだな、と感じる事はあるが

それこそ今の僕にとってはどうでもいい事だったし、意識した所でどうしようもない事だった。

三重にある研究施設は山を削って、まぁ割と広大な土地を所有している事になる。

その一角、ビニールハウスが三つ並んでいる区画をうちの部署がよく使用するので

別に当番と言うわけではないが、単純に仕事がやりにくくなると困るために整備は欠かせない。

ごんちゃん、ほりえもん、僕の三人でやってきたのだが、誰ともなく準備初めて

ごんちゃんとほりえもんは草刈機で周辺の伸び始めた草を刈る。

僕は除草剤でビニールハウスの周辺を根絶やしにする係りだ。

まぁ重いチェーンソーまがいの物背負っているごんちゃんやほりえもんに比べれば

袋持って振って歩けばいいのだから楽な仕事だ。

高速で刃が回転している機械だし、軽く触れた小石が顔に飛んでくる事もあると言うから

安全性を考慮しての配役だろうと思う。そういう所は何も言わないでも勝手にやる人らだ。

ヴィンヴィンエンジンが回る音を遠めに聞きながら、僕は悠々とハウスへと近づいていく。

問題は二つあり、一つはハウスの根元から生えてる草。これは間違ってビニールハウスを

切ってしまうと割りと問題があるからやれない。

もう一つはハウスとハウスの間にそもそも草刈機が入らないので単身入っていくしかないのだ。

まず三つあるうち、一つ目と二つ目のハウスの間を視界に入れた僕はとりあえず言ってみた。

「で、なにこれ」

一番の問題は、そもそもハウスの間の草が成長しすぎて反対側が見えない

と言う事くらいだろうか。

十分に思慮と覚悟を練って、恐る恐る足を踏み入れる。

鬱蒼と茂ったジャングルを連想させる・・・いや、もう既に他の何でもないジャングルに

バキバキと幹を踏み倒しながら除草剤を撒いて進入する。

そこで僕は悟った。本当の問題は反対側が見えないなんて生易しい物ではない。と。

真の問題は数え切れないぐらいのバッタがそこに密集して住んでいる事だった。

そして僕の足音、草の動く気配、除草剤の振る振動に敏感に反応し、

それぞれが思い思いの方向にピョンピョン跳ね回っている。・・・僕の足元で。

書いた事があるかどうか不明だがかいおーは虫が嫌いである

他の何が許せても虫が許せないぐらいに虫嫌いだ。

その僕の足元で有象無象の大小さまざまな色とりどりのバッタが飛び跳ねる様は

もはや放送禁止レベルなんて物ではない。拷問に近いものですらある。

しかしバッタは所詮バッタであり、今の僕は作業服で長靴である。

メンタルを最大限まで押し殺し、バッタの園を突き進む。

そこで、もう反対側に出るまでほんの4,5メートル先まで来たと言う所で

ごんちゃんが遠くで叫ぶ声が聞こえてきた。

「おーい、昼いくぞー」

「ちょっと待ってー」

反射的にそう返して、もう一度正面を向く。もうあと少しだ。あと少しでやり遂げる。

そう決意を新たにした僕は、ふとおかしな事に気づく。

今まさに撒いたはずの白い粒が空中に浮かんでいるのだ。

不思議に思ってもう一度そこに振り掛ける。途中で停止する。

時空や引力がおかしいのではないのは明白だった。現に他の部分に目に見えた変化はないし

僕も、他の植物も元の位置をずっと維持している。

いや、そんな回りくどい方法で考えなくても、考えるまでもなく僕の頭には正解が浮かんでいた。

蜘蛛の巣である。

人間、自分より表面積と身長の高い蜘蛛の巣を見る機会なぞそうはないだろうが

まぁ、普通、動けないよね。

それがまさか、自分が目をそらすように歩いていた先にあっただなんて。

そして、一度立ち止まってよく見てみないとそれに気づきもしなかっただろうなんて

とりあえず貫通は出来なさそうだと判断して、僕は元来た道を歩いた。

なんてこった。本当に恐ろしいのはバッタなんかじゃない。蜘蛛の巣だったのだ。

僕はその後、昼食から戻るまでの間に幾度となくシミュレートした結果

反対側から回って触れないようにほうっておくのが一番と言う結論に達した。

そして僕の二度目の戦闘が始まる。

正に息を殺して歩いているような圧迫感と、逃げ出したいと叫ぶ心をギリギリまで無視して

辿り着いた先に待っていたのは、この世の物とは思えないような爽やかな風だった。

やった・・・。僕はやったんだ。

不可能を可能にする。陳腐な言葉ではあるが、それは正にその通りだった。

かつてない程の安堵と高揚。今の僕はメンタル的に無敵だった。

そして僕のメンタルは、もう一つのハウスの間を見て圧倒的に崩壊した。

「・・・ほりえもん・・・。いや、堀江さん、コレはないですよ・・・

自分でも良くわからない事を言った僕に待っていたのは、僕の背丈を遥かに越える

草と言うかもう軽く木の域に達している植物の群れだった。

僕は考えた。至極シンプルに。

行くのか、行かないのか。

まぁ結果的には行くしかないと判っていたのでただの逡巡でしかないのだが。

幹を踏みしめながら、さっきとは桁違いのバキバキという音を聞く。

バッタのでかさもハンパではない。やはりビニールハウスの周辺(と言うか間)は

暖かく、太陽光も豊富で草が成長しやすい環境。そりゃあ虫もデカくなる。

そんな事を考えていると、足元で何かが動いた。またバッタか何か踏みかけたか。

それともカエルかな?




ドでかい蜘蛛だった




〜〜〜〜〜ッ!!!

どっかの板垣漫画を彷彿とさせるビビり方をした僕はとりあえず逃げた。

そして助けを求めようと思ったが誰も近くにいなかったので

仕方なく至近距離で写メを取る事で気を紛らわした。

なんという事だろうか。

本当に怖いのは、

本当の本当に恐怖すべきだったのは

草でもバッタでも蜘蛛の巣でもない。

蜘蛛そのもの・・・

っていうかデカイって!!

ええ、結局反対側から回りました。勝てません。

そんなこんなで、精神的に満身創痍な僕はごんちゃんに運転してもらって

後部座席で爆睡してました。

ふと気がついたらもう大阪のインター降りてましたからね。びびりましたよ。

皆さんもこれからの季節、虫にはくれぐれもご注意を。