奥田麻美から電話があったのは、もう既に二週間も前の話だ。
私は忙しいスケジュールを何度も確認しながら、明日に迫った旧友との再会に胸を躍らせていた。
家の古臭い玄関の扉を開けると冷たい風が頬に突き刺さり、几帳面に整えた髪を舞い上がらせる。
小さい吐息で出来た白い煙を見つめていると、昔の事を思い出す。
一人上京してきてすっかり大学の生活に馴染んだ私は、アルバイトでひっそりとお小遣いを稼いで暮らしている。
そろそろ学校とバイトの両立も様になり始めて、私は新しい人生を踏み出し始めたような
感動とも後悔ともつかない感情を抱きながら、やっぱりひっそりと生きていこうと思っていた。
高校時代の友人が街に来るから会おうと言い出したのは、そんな時だった。
連続ネット小説 海王記外伝
〜藤崎尚美の場合〜
●この物語はフィクションであり実在のいかなる
団体・個人とも一切関係ありません。
その夏休みは、連日の雨のおかげでべとべとした感触が一日中体から離れない不快感で一杯の一ヶ月間だった。クラスの何人の女の子と一緒に遊びに行っても、ついに皆手拭とかタオルとかを手放すことはなかった。
ただ夢中になって遊んでいた頃は無邪気だったなぁと思う。だって、今みたいな味気ない生活が待っているなんて想像も出来なかったし考えようとも思わなかったから。
その日、私は一学期の期末考査での雪辱を晴らすため、机に噛り付くようにして勉強に励んでいた。ただ赤点を取ったから出された課題だったかも知れないけど。
ソーダアイスを咥えながら、扇風機もない部屋でシャツ一枚になりながら窓を全開にして黙々と勉強するのは苦痛だった。電気もつけないで、ただ風鈴が時たま慣らす心地よい音を除けば、溶け始めたアイスを自分ですする音と、ペンがノートを走る音だけが部屋に繰り返し流れていた。
それは、遊び盛りの少女のいる光景としては、すごいミスマッチだな、と思う。
積み重ねられたプリントの山と、片付けてしまって乱雑に放置されているプリントを見比べながら小さい溜息を着いた時、階段の下から母の呼ぶ声がきこえてきた。
「ナオ、電話ー!奥田さんて子からー!」
そんなに大声で言わないでもわかってるのに、と思いながら、私はペンを放り出して部屋の簡素な扉を押し開けた。ドタドタと足を慣らして階段を駆け下り、その当時でもあまり見られなかった古臭い黒電話を奪い取るようにして耳を当てた。
もう少しおしとやかに・・・とか、いくら暑くても女の子なんだからもう少しちゃんとした格好でいなさい、なんて小言は聞こえているような聞こえていないようなもので、私は野良犬を払うように、『シッシ』と母を居間に戻らせた。
「もしもし、麻美ちゃん?どしたの?」
さっきとは打って変わってすっかり上機嫌な私がそう聞くと、奥田麻美はびっくりしたように
「え、っとあの、明日、もし暇だったら映画かなんか見に行こうって」
しどろもどろになりながら話している奥田麻美の姿が頭に浮かぶようで、可笑しかった。何はともあれ、これで母の五月蠅い勉強生活から一時的に開放できる口実が出来たんだから、この時ばかりは奥田麻美に感謝しなければならなかった。
「行く!行く!何時集合?」
「えっと・・・でも、課題、やらないで大丈夫・・?一杯持って帰ってたケド・・・」
奥田麻美は、夏休みに入る前に転校して来た子だった。田舎の学校に転校生が来るのは珍しく、なんというか、それだけでクラスの男子の注目を集めるのに十分な要素だったと思う。勿論と言うか、お約束と言うか端整な顔立ちをしていて、お嬢様育ちらしい綺麗な髪の毛は誰が見ても好印象だと思う。
私は、どこか面白くないものを感じていた。颯爽と現れてみんなの羨望と人気を掻っ攫って行ってしまうこの小悪魔に、なんとか仕返しをしたいと思ったのだった。ちなみに別に私がそれまで羨望の眼差しを一身に受けていたとか人気者だったとか言うわけでは全然ない。
そんな悪戯心から、まだ注目の的となっている転校生にちょっかいを出してやろうと思って何度か話しかけたのがどう誤認されたのか、すっかり懐かれてしまった(この表現が一番ピッタリだと思う)。
そこまで行くともう私達のグループに懐柔するのが得策なのは明らかで、私はよく遊びに連れて行ったり、週末はお互いの家に泊まったりして、奥田麻美はすっかり仲良しグループの一員となったのだった。
ただ、皆で遊びほうけていたにも関わらず一人だけ期末考査でいい点を取った奥田麻美にちょっと裏切られたような気分でもある。私が連れまわしたせいで成績が下がられても困るけど、それにしてもこの時の課題の量はいつにも増して多かった気がする。学年の成績が下がって来たこともあってか課題の一教科ごとの量は増えるわ、私はいつにもまして赤点を連発するわで、本当に山のようなプリントがあったのだ。
そんな中で一人悠々と夏休みを満喫しようとしている奥田麻美に、グループの中の誰かが皆の集合をかけさせる役として奥田麻美を抜擢したに違いない。多分私が言いだしっぺでもそうしただろう。
奥田麻美はそんな事情を知ってか知らずか、そんな無神経な事を聞いてくる子だったが、愛くるしい仕草とか人懐っこい性格はそんなものごとを払拭してしまうくらいのインパクトを持っていた。
「大丈夫!もう大体終わらせちゃったんだから」
横目に居間を見つめながら、出来るだけ元気そうに、それでいて母に聞こえないように音量調節して喋る。今思うと、よくもこんな技術を磨いたものだ。
そんな私の影の努力を「すごーい」なんて素直に驚いている奥田麻美は、やっぱり憎めない子だった。
*
私は冬が好きだ。子供の頃からずっと冬が好きで、それはやっぱりお風呂と布団のあったかさのせいだとも思うし、ひんやりとした空気の中にいるのが心地よいのもあると思う。
でも、コートを羽織って手袋を着けてもどうしても消えない寒さは、大嫌いだ。だからこそあったかい時の幸せ感も増すんだろうけど、頭痛がするほどに冷たい空気はやっぱり嫌いだった。
冬になるといつも高校生の頃を思い出す。特に、今日みたいに強い風が吹いていて肌を刺すような日は。
それは今になってもまだ消えない心の痛みでもあるし、自分が子供だった事を証明する誇りのようでもあったが、冬と言う季節が私の中で、ただの好きな季節でなくなったのは確かだと思う。
同時に、どうしても奥田麻美の顔が浮かんでしまう。高校を卒業してから何度か電話で話したものの、次第にその間隔は広くなり、私も日常の中で奥田麻美を思い出す事はあっても電話をしようなどと考える暇が無くなっていたのもあって、こうやって関係は希薄になっていくんだなー、なんて無責任に思っていた。
そんな時にかかってきた奥田麻美からの電話は、私の心を一気にあの頃に近づけていった。もう忘れそうになっていて、自分の中から無くなって行くんだろうと思っていた記憶。
懐かしいと言う思いより、その時は奥田麻美が憎かった。何故今になって私の心を荒立てるような事をされなければならないのか、筋違いだと思いながらも、奥田麻美を憎むしかなかった。でも、どうしてもあの笑顔を思い出すと、私の中の威勢のいい怒りはしなしなとしぼんでしまうのだった。
「・・・おはようございまーす」
一つの小さな書店の扉を開けて挨拶する。これは人がいない事を確認する為の挨拶みたいなもので、私が朝から働く時は店長は店に来ない。昼と夕方と一回ずつなにかしらしに来るのだが、大部分は私が任されているのだった。
手際よく着替えて部屋のガスストーブのスイッチを入れる。キンキンキンと音を当てて少しずつ赤くなっていくストーブを眺めて、しばらく温もってから店の明かりをつける。
一通り店を見回して雑誌の並べに乱れがない事を確認すると、また急いでストーブの前・・・カウンターに設けられている椅子へと腰掛けた。ようするに、ここに座っているだけの仕事みたいなものだ。それだけではあまりにも暇なので適当に本を拝借して読みふけったりもしてみる。
この季節、店に置いてある暖房設備がこの小さなストーブ一つで、それを店員が一日中独占しているのだから客が集まろうはずもない。たまに熱心な学生が参考書を買いに来たりするけど、本当にそれくらいだった。
私がストーブの暖かい空気に触れながら眼鏡をかけて本を開こうとした時、店の前を人が横切るのが見えた。道路側は一面ガラス張りなので、人通りが良く見える。この時間に人が通るなんて珍しいなーと思って眺めてると、どうやらこの店に入るらしかった。
よく見ると目を疑うほどに薄着で、体は遠くから見ても震えていると判った。思わずストーブを勧めたくなるものの、どうすればよいのやら判らないでただその客を眺めていた。
取っ手が金属で出来ている扉が閉まると、その男はほっとしたように顔を上げた。風が強い日なので、それがなくなっただけでも暖かく感じるのだろう。
我に返った客がこっちを見て、屈託のない苦笑いをした。あんまり寒いのでつい入っちゃいました、と馬鹿正直に言っているような顔を見て、思わず私も微笑んでしまった。
しばらく店内をうろついていた男が、一冊の本の前で足を止めてペラペラとページをめくり始めた。立ち読みは別段珍しくもないので、男が飽きるまで私も読書に耽ろうと本を開く。
だが、それから一分もしないうちにその客は一冊の本を持ってカウンターまで向かって歩き始めた。何か買う予定の本でもあって、本当にそれを買いに来ただけなのかも知れないな、なんて事を考えて、一直線に歩いてくる男を待ち受けるようにして向き直った。
そして、私は自分の頭が焼けきれるような、痛みを感じた。ツン・・とした痛みがその時確かに走ったと思う。
「高杉君・・・?」
私の高校時代の思い出を穿り返す役者が、また私の前に現れたのだ。
それも、もう終わったはずの物語の鍵を握る重要な二人目が。
*
高校二年の夏休みが終わり、二学期が始まった。その時私は後回しにし続けた課題の山を徹夜で仕上げて来て、すっかり元気もなくなっていた。
クラスの様子を見ると、皆長い休みの間に何があったのか、急に化粧をするようになった女の子が増えたり、だらしない格好の子やアクセサリーをつける子、男の子の中には髪の毛を染めたりしてくる子もいた。
担任の藤子先生は大人しい人で、一月にしてすっかり変貌してしまった教え子の姿に絶句していた。
そう、丁度、みんなが色恋沙汰に興味を示し始めた時だったのだと思う。そこ等中で何組の誰が誰の事を好きだとか、夏休み中に泊りがけの旅行に行ったとか、そんな話ばかりしていた。
私には関係ない話だなぁ、と目の下のクマを擦りながら聞き耳を立てていたのだが、休み時間になって一箇所に集まる仲良しグループの中でもそんな話題で持ちきりになるのは勘弁してほしかった。
「それでね、カレと海行ってどうしたと思う?」
なんて、アキちゃんが得意げに自慢話を披露している真っ最中も、私は襲い来る睡魔と戦っていた。
「ちょっとお、麻美ちゃんに変な事教えないでよー」
それでもそんな風に話題に乗っかってしまうのも、なんだか極自然な感じで楽しかった。でも、そういう私とは裏腹に奥田麻美は興味津々といった表情で私を制すのだった。
「だ、大丈夫だよ、私・・・もう高校生だもん」
「へー、麻美ちゃん興味あるんだあ、もしかして、好きな人とか、彼氏とかいるの?」
と、からかう様にしてグループ連中のリンチにあっている奥田麻美を眺めながら、ついに私は机に突っ伏した。
思えば、この時しっかり起きていれば後々・・・と言うか今現在も、こんな面倒な事にはならなかったのだろうと思うと悔やんでも悔やみきれない気持ちだ。
その日の午後、教室の窓の外に映る夕日を眺めて、私はまだ机に突っ伏していた。もう下校の挨拶をしてから随分とそうしていたけど、その時はあまり時間の感覚がなくて、考え事もせずにぼーっとしていた。
だんだんと下がっていく不完全な円形のお日様を眺めて小さく溜息を吐いたりして、一人教室に残って自分の席に座っていた。
「おい、大丈夫か?具合でも悪いんか?」
そんな声が少しだけ遠くから聞こえて、私はハッとなって後ろを振り返った。そこには少しだけ驚いたような、不安気な顔をした男の子が廊下からドアにもたれ掛かって、体を教室の中に投げ出すような格好で支えていた。
「・・別になんでもないよ。どうしたの?」
それが、私と高杉賢一が始めて会話をした瞬間だったと思う。
高杉賢一は恐る恐るといった感じで教室に入り、自分の本来の席・・・つまり私の真後ろまでやってきて、机の中をゴソゴソとやりながら言った。
「今日貰ったプリント、忘れちまってさ。お前は何してるんだよ?」
中から出てきたしわくちゃのプリントをこれ見よがしにヒラつかせて、高杉賢一は言った。
「だから、別になんでもないんだって。こうしてるの好きなの」
自分の教室で一人椅子に座ってじっとしてる女の子がいれば、それは不安にもなるだろうな、と思いながら、私は小さく笑った。
高杉賢一は不良ではないけど、優等生と言うには一歩及ばないような、そんな生徒だった。背も低くはないし頭もいい方だったと思う。顔はかっこいいか、と言われれば首を捻ってしまうけど、不細工かと言われれば違うとはっきり言える様な、なんと言うか率直な感じで女子からモテそうなものだが、浮ついた話は一切聞かなかった。ただ、いつも屈託のない笑顔を浮かべているみたいな印象はずっとあったと思う。
そんな全国の「普通」代表みたいな生徒である高杉賢一は、プリントをカバンの中に入れながら、少し難しい顔をしていた。ひどく、見ている人間を不安にさせるような危なげな表情をしていた。
「俺、もう帰るけど、お前どうする?」
私がそんな顔の正体を見極めようと凝視していると、高杉賢一はそれまでと一変して、またいつものように屈託のない笑顔で言った。
私は一瞬、自分でもびっくりするぐらいドキっとして、仰け反りながら言った。
「あのね、さっきからお前お前って言ってるけど、もしかして、私の名前知らないの?」
ここで目を逸らしたら負けだと思った私は、自分の顔が僅かに上気しているのを自覚しながら、睨みつけるくらいの勢いで言った。
「いや、知ってるけどさ。席まん前だし」
言いながら若干目を逸らした高杉賢一を見て、私は少しだけほっとした。多分、自分の名前を言われるのが嫌だったのだ。
「まぁ、いいけど。私ももう帰るから、鍵しめちゃうね」
私は立ち上がって、黒板の横の鍵掛けからやたらと大きいキーホルダーのついた教室の鍵を取りに行った。その間に、高杉賢一は窓の戸締りとかを確認していみたいだった。
意外と几帳面なヤツだな、と思ってドアへ向かうと、高杉賢一は廊下に一歩半ほど出た所で立ち止まっていた。
「なにしてるの?」
別になんでもないよ、と笑いながら、高杉賢一は廊下をキョロキョロ見渡したりしていた。私が教室のドアを閉めて鍵をかけ、廊下を歩き出した時、高杉賢一も方を並べるようにして歩き出した。
バカ、これじゃ二人が何かあるみたいに見られるじゃないの、なんて心の中で呟きながら、それを言うと余計に意識してしまいそうでずっと黙っていた。
「お前さ」
高杉賢一はそんな事を微塵も気にしない様子で、ぼんやりとした声で喋りだした。
「よく考えたらお前が教室にいなかったら、俺教室まで来て無駄足だったんだよなー。ありがとな」
その言い草は、なんだか独り言みたいに淡白で感情が篭ってなかった。けど、いきなり話かけられて心中穏やかでない私にとっては、それは最大級のメガトンパンチだった。
「な、何言ってるのよ!べっ、別に高杉君の為に残ってたわけじゃないんだからね!?」
多分私は、廊下に響き渡るぐらいに大きな声で、顔を真っ赤にして怒鳴っていたと思う。
「わーかってるよ」
とおどけたように笑いながら、高杉賢一は少しだけ歩幅を広くして、廊下が階段と繋がっている地点まで歩いてゆき、階段を降り際に
「じゃあな」
と素っ気無く言って、走ってどこかへ消えてしまった。
私は職員室に鍵を返さなければならないので、このまま真っ直ぐ歩かなければならなかったから、そういう事も考えて消えたのかな。なんて感心していた。
「あ」
私が職員室に鍵を返して帰ろうとした時、廊下の突き当たりに小さい人影が見えた。この頃から既に視力の低下の兆しを見せていた私が目を凝らしてみると、それはどうやら奥田麻美のようだった。
「麻美ちゃん、どうしたのー?一緒に帰ろ」
と私が手を大きく振って歩いていくと、奥田麻美もこっちに気がついて、はにかみながら手を小さく振った。
「こんな時間までどうしたの?補習?」
勉強熱心な我が同級生諸君は、休み明けの試験を目指して勉強に励んでる時期だったので、自然そんな風な会話になったが、奥田麻美はどこか落ち着かないような雰囲気、辺りをキョロキョロと見渡していた。
「違うの。えっと、私図書部だから、本の整理とか手伝ってたんだ」
小さな声でそう呟いた後、一呼吸置いて奥田麻美は付け足した。付け足したというより前振りが終わってようやく本題に入ると言う感じだったと思う。
「あの・・・ナオちゃんって、その、高杉君と、・・・仲、いいの?」
恥ずかしそうに尋ねる奥田麻美を見て、私は一瞬にしてははぁ、なるほど、と事情を理解したものだった。
ようするに奥田麻美は高杉賢一の事が好きで、私が一緒に(二人っきりで)いたのを見て、聞かずにいられなくなったという事だろう、と。
私はおせっかい焼きと興味の両方を解き放って、活き活きと応えた。
「いやーっ、全然。高杉君っていい人そうだけど、私と合いそうにないもん。さっきもプリント忘れたからって教室まで取りに来たからついでに鍵閉めて一緒にいたんだけどね、全然好みじゃなかったよー。恋人もいないみたいだし、やっぱ甲斐性なしはだめよねえ」
「あ、そ、そう・・・なんだ・・・・・」
私が大袈裟にアピールした甲斐があってか、奥田麻美は露骨にホっとしたような表情になって、軽い足取りで歩き始めた。
「そうなんだー・・・」
これはちょっとやりすぎたかな、と思うほどに機嫌が良くなった奥田麻美の後について歩きながら、私は明日からクラスで持ちきりの話題になるでろう二人の今後の事を想像してにやにや笑いを浮かべたりしていた。
この頃の私達は、こんな事くらいでわくわくしたりして、平和な日々を送っていた。半分大人の、半分子供の高校二年生という曖昧な年齢では、当然の事だと思う。
だから、そういう好奇心のせいで傷ついたりするのも、それもやっぱり当然の事だった。
つづく